Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate
「む。……うむ。……」
尊氏は聞いていた。しかし憂いを残している容子で。
「義詮」
「は」
「わしの体よりは、むしろ、おまえの体こそ粗末に持つなよ。わしは貧しい幼少と野性にめぐまれ、風雲にもいやというほどきたえられた。わしはまだなかなか死ぬまい。けれど、おまえはどうも弱いな。どこか弱い」
「いや、さようなことはないはずです。お父上から見たらお目だるいかもしれませぬが、戦陣でもめったに疲れは知りませぬ」
「それは若さというものだけだ。この父に似ず、何よりは意志が弱い。決断力も鈍く、人を観る明にはすこし欠けておる。わけていまの武士どもを統御するのは容易でないことをよく知っておかねばならぬ」
「それは、まいどの仰せ事。心しておりまする」
「頼む者はまったくないのだ。自分だけが頼みと思え。しかも将軍家であれば、それではならん。由来、この京都には常時たくさんな兵は置けぬ。事あるたび、諸国の大名や家人どもへ召を発して呼び集めるのが慣い。むずかしいことではある。おまえは尊氏の子でも尊氏ではない。人を観、人の心をよくつかむだけを習うがいい」
「義詮がこれと頼みにしてよい人物は、麾下の内で、見渡すところ誰でしょうか」