Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate
おそらく彼は他日、その勢威を駆ッて、錦小路殿をも蹴おとし、副将軍の座をうかがっているのではないか。
いやいや、もっと大それた腹だろう。高家の或る縁辺が、知行を失って、頼み込みにいったところ、師直はその者へ、こう語ったという噂もある。
「――知行はいくらでも困る者には分けてやりたいが、都には朝廷があって、諸国の領地も数多それの御料に塞がれている。われらにしても、内裏の院のというものがあるため、道で会ってもいちいち馬から降りねばならぬ。まことにやっかい極まるものだ。どうしても国に王というものがなくてならないなら、木か金で造って、生きている上皇や天皇などはどこかへ流し捨ててしまったらよいのだが」と。
よもや、こんな暴言を、御執事が放談なされるはずはない。為にする者の悪質な捏造談ではありましょう。けれど師直がそう言ったと、まことしやかに伝えられ、師直の暴慢不遜、すえも思いやられると、その蔭口には、聞くにたえぬものがある。
いまにして、御執事の方こそ、御警戒に心せねば、後に、臍を噛んでもおよばぬのではあるまいか。ひとごとながら――と、道誉はここで急にふっと口をつぐんだ。