Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はしがき

童話集 春

竹久 夢二

Leggi 童話集 春 (はしがき) di 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.531 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

「母様、駒鳥は可哀そうねエ」

「坊や、泣くんじゃないよ」

「でも母様、雀が……雀が……こ……殺しちゃったんだもの」

「ああ、そうなの。雀が殺してしまったのよ。本にはそう書いてありますけれど、坊やは聞いたことがありますか」

「何あに」

絵本は、その悲しい話の半面を語ったに過ぎなかった。他の半面は母様が知っていなさった。駒鳥は殺された。殺されて冷い血汐のなかに横わったことは事実であった。けれども慈悲深い死の翼あるその矢のために、駒鳥は正直な鳥の、常に行くべき処へ行った。そしてそこで――ああ嬉しい――彼は先へ行って居た自分の最愛の妻と子にそこで逢ったのでした。

「駒鳥の親子は、今はみんなそこに居るんですよ。この世に住んだうちでは一番しあわせな駒鳥なんだよ」と母様はあなたの涙に濡れた頬にキッスしながら仰言った。

大きく見ひらいたあなたの眼には、もう涙は消えていた。あなたは正直な鳥の行くべき処に居る駒鳥のことを遠く思いやった。駒鳥の眼、駒鳥の紅い胸は再び輝いて居た。彼は囀り、歌い、そして妻子を連れて枝から枝へと飛び移った。小さい話を繕うことも、小さい人の心を繕うことも、小さい靴下を繕うことのように母様は実にお手に入ったものであった。