Classici giapponesi con furigana
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
Leggi 童話集 春 (はしがき) di 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.531 caratteri · 97 schermate
朝
ある春の朝でした。
太陽は、いま薔薇色の雲をわけて、小山のうえを越える所でした。小さい子供は、白い小さい床の中で、まだ眠って居りました。
「お起き、お起き」柱に掛った角時計が言いました。「お起き、お起き」そう言ったけれど、よく眠った太郎は何も聞きませんでした。「私が起して見ましょう」窓に近い木のうえに居た小鳥が言いました。
「坊ちゃんはいつも私に餌を下さるから、私がひとつ唄を歌って坊ちゃんを起してあげよう」
好い子の坊ちゃんお眼ざめか?
寝た間に鳥差しがさしにくる
庭にいた小鳥がみんな寄って来て声をそろえて歌いました。それでも太郎はなんにも聞えないように眠っていました。
海の方から吹いて来た南風は、窓の所へ来て言いました。
「私はこの坊ちゃんをよく知ってますよ。昨日野原で坊ちゃんの凧を揚げたのは私だもの。窓から這入って坊ちゃんの頬ぺたへキッスをして起そう」
南風は、窓からカーテンをあげて子供の寝室へそっと這入っていった。そして太郎さんの紅い実のような頬や、若い草のような髪の毛をそよそよと吹いた。けれど子供は、何も知らぬほど深く眠っていました。
「坊ちゃんは私が夜の明けたのを知らせるのを待ってらっしゃるんだ」