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Classici giapponesi con furigana

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はしがき

童話集 春

竹久 夢二

Leggi 童話集 春 (はしがき) di 竹久 夢二 (たけひさゆめじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.531 caratteri · 97 schermate

Aozora Bunko

少年・春

1

「い」とあなたがいうと

「それから」と母様は仰言った。

「ろ」

「それから」

「は」

あなたは母様の膝に抱っこされて居た。そとでは凩が恐しく吼え狂うので、地上のありとあらゆる草も木も悲しげに泣き叫んでいる。

その時あなたは慄えながら、母様の頸へしっかりとしがみつくのでした。

凩が凄じく吼え狂うと、洋燈の光が明るくなって、卓の上の林檎はいよいよ紅く暖炉の火はだんだん暖くなった。

あなたの膝の上には絵本が置かれ、悲しい語のところが開かれてあった。それを母様は読んで下さる。――それはもうまえに百遍も読んで下さった物語であった。――その時の母様の顔色の眼は沈んで、声は低く悲しかった。あなたは呼吸をころして一心に聴入るのでした。

誰ぞ、駒鳥を殺せしは?

雀はいいぬ、われこそ! と

わがこの弓と矢をもちて

わが駒鳥を殺しけり。

これがあなたの虐殺者というものを聴知った最初であった。

あなたはこの恐ろしい光景を残りなく胸に描き得た。この憎むべき矢に射貫かれた美しい暖い紅の胸を、この刺客の手に仆れた憐れな柔かい小鳥の骸を。

咽喉が急に塞がって、涙があなたの眼に浮かぶ。一滴また一滴、それが頬を伝って流れては、熱いしかも悲しい滴りが、絵本のうえに雨だれのように落ちた。