Classici giapponesi con furigana
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るこうしんそう
縷紅新草
泉 鏡花
Leggi 縷紅新草 (るこうしんそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.566 caratteri · 48 schermate
ここは、切立というほどではないが、巌組みの径が嶮しく、砕いた薬研の底を上る、涸れた滝の痕に似て、草土手の小高い処で、々と墓が並び、傾き、また倒れたのがある。
上り切った卵塔の一劃、高い処に、裏山の峯を抽いて繁ったのが、例の高燈籠の大榎で、巌を縫って蟠った根に寄って、先祖代々とともに、お米のお母さんが、ぱっと目を開きそうに眠っている。そこも蔭で、薄暗い。
それ、持参の昼提灯、土の下からさぞ、半間だと罵倒しようが、白く据って、ぼっと包んだ線香の煙が靡いて、裸蝋燭の灯が、静寂な風に、ちらちらする。
榎を潜った彼方の崖は、すぐに、大傾斜の窪地になって、山の裙まで、寺の裏庭を取りまわして一谷一面の卵塔である。
初路の墓は、お京のと相向って、やや斜下、左の草土手の処にあった。
見たまえ――お米が外套を折畳みにして袖に取って、背後に立添った、前踞みに、辻町は手をその石碑にかけた羽織の、裏の媚かしい中へ、さし入れた。手首に冴えて淡藍が映える。片手には、頑丈な、錆の出た、木鋏を構えている。
この大剪刀が、もし空の樹の枝へでも引掛っていたのだと、うっかり手にはしなかったろう。