Classici giapponesi con furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Leggi 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.583 caratteri · 149 schermate
戦国会津唄
一
一
「おい見ろ、稗食い虫が行くぞ」
「やあ本当だ、おーいみんな来いよ。岡野の稗食いが通るからからかってやれ」
ばらばらと悪童たちが集まって来て小房の周囲を取巻いた。
「やい稗食いの痩せっぽち」
「蕨のねっこでも掘りに来たんか」
「晩の御飯は楢の実だろ」
手を拍ちながら声々に囃したてる、小房はどうする事も出来ず、ついには両の袂を顔に押当て、わっと泣きながら逃げて帰るのが例であった。
小房の父岡野左内は、上杉景勝の重臣で猪苗代城代を勤める一万石の大身だったが、実に思い切った倹約家で、自分はじめ娘や家来たちにも、夏は生麻の帷子、冬は木綿布子よりほかに着せなかったし、食べ物は稗や粟が常食で、それに蕨の根や蜀黍団子や楢の実などというどんな貧しい農家でも嫌うような物を、主従上下の差別なく食べていた。――一万石という大身でこの倹約、というよりは吝嗇に近い生活をしていたから、自然と莫大な金がたまる道理である。左内はそれがまた何よりも楽しいとみえ、月に一度ずつ金蔵へ入っては、あるほどの金銀を山と積んで、ただ一人それを数えるのが例であった。
豪放と恬淡を以って誇りとした戦国武士のあいだにあって、左内のような吝嗇や、金銭を愛する気風が蔑まれるのは当然である。