Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Leggi 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.583 caratteri · 149 schermate
身代り金之助
一
一
「やあ! えいッ!」
かけ声だけは勇ましいけれど、腰がきまっていないので槍先はふらふらだった。勢い込んで突っかけたのが桶側胴をつるりと滑って、
「――あっ」
というとそのままつんのめって行って、生垣の中へ頭から半身を突っこんでしまった。
金之助はもう少しでふきだしそうになったが、亀の子のように手足をばたばたさせてもがいている慶太郎のすがたを見ると、そのまま放ってもおけないので後ろから行って引出してやった。慶太郎はぺっぺっと唾をしながら、真っ赤になって呶鳴りたてた。
「馬鹿、間抜け、貴様はおれをわざとつきころばしたんだろう」
「とんでもないことです、私は若様のおっしゃる通りちゃんと動かずに立っていました」
「嘘だ嘘だ、おれが突っかけた時貴様は体をひねったじゃないか。でなくっておれがころぶわけがないじゃないか。貴様は始めからおれを突っころばすつもりでいたんだ」
「私はそんな卑怯なことはいたしません」
「なにッ、卑怯だと!」
怒りだすと言葉の区別もつかなくなる若様である。いきなり拳を振上げて金之助の頬をなぐりつけた、――さすがに金之助も顔色を変えたが、こんな時に少しでもさからったり、拳を避けでもしたらなおさらひどいことになるのを知っていたから、じっと歯をくいしばって我慢していた。