Classici giapponesi con furigana
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びしょうじょいちばんのり
美少女一番乗り
山本 周五郎
Leggi 美少女一番乗り (びしょうじょいちばんのり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.583 caratteri · 149 schermate
和蘭人形
一
一
寛文十一年九月十二日。芝愛宕下にある金森飛騨守の邸では、朝から人の出入りも物々しく、足軽や小者たちまでが何か心配そうにひそひそとささやきかわしていた。――それは主君飛騨守頼宗が、前月のはじめに発病したまま、この二、三日殊に危篤の様子だったからである。
午さがりになると、麻布から御分家の金森頼母が駕籠で駆けつけて来た。玄関へ出迎えた家老の相良外記は、
「直ぐに御病間へ、――」
といって、あわただしく案内に立った。
本殿奥の病間には、重臣の藤田中書、河原三十郎、添上靭負、瀬越六兵衛、松村伊太夫の五名が詰めており、――頼宗の側にはお気に入りの中小姓高村数馬と、御右筆の鈴木伝右衛門が控えていた。
外記は頼母を導いて進み、
「麻布様お見舞いにございます」
といった。
頼宗は頷いたまま右筆の伝右衛門に、
「――書けたか」
「はっ、認め終わってございます」
「見せい」
右筆の差出す紙を、苦しげに読み下したが、やがてそれを巻納めると、
「これを密封致せ」
と命じた。
右筆の伝右衛門は即座にその書状を密封して差出す、頼宗はその封じ目へ朱印を捺してから、集まっている家臣の方へ向直った。