Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

「内藤君、きみは変な顔になったぞ」

「若様も右のお目がはれています」

「そうかい? 目も痛いが、頭がヒリヒリする。かりたてだからたまらない」

「お額のところもすこしはれてきました」

「これは早くなんかお薬をつけてもらった方がいい。ゆこう」

と照彦様がうながした。

二人がはれぼったい顔を現わして、一部始終を申し上げた時、奥様はアンモニアを取りよせて、お手ずからぬってくだすった。

「ひどくさされたものね。おいたをするから罰があたったのですよ」

とおっしゃっただけで、別のお小言もなかった。しかし女中がはたからクスクス笑ってばかりいたので、照彦様はおこって、

「失敬な奴だ」

ときめつけた。正三君もこれには同感だったが、奥様は、

「照彦も内藤さんもこの鏡をごらんなさい。藤やが笑うのも無理はありませんよ」

と注意してくだすった。二人は姿見の前に立った時、すっかり悲観してしまった。めいめい、自分だけはそんなでもなかろうと思っていたのである。

まもなく晩餐の席上、この二つの顔が問題になった。朝と昼は若様がただけのことが多いが、晩餐は洋間の食堂だから、お殿様もご一緒にめしあがる。