Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
要するに夫も妻も、別れるならば自分の方が捨てられる側になることを願い、どっちも自分が楽な方へと廻りたかった。しかし自分たちは子供でもないのに、何がそんなに辛いのだろう。理性のよしとするものを実行することが出来ないのは、何を恐れているのだろう。結局のところは過去のきずなを断ち切るだけのことではないか。その悲しみはただその刹那のものであって、多くの人の例を見れば、長いあいだにはだんだんうすらいで行くのである。「僕たちは先のことよりも目前の別れが恐いのだね」と、夫婦は語り合って笑った。
要は最後に、「では僕たちは自分たちにも分らないように極く少しずつ別れる手段を取ろうではないか」と云う提議をした。昔の人は離別の悲しみに打ち克てないのは児女の情だと云うかも知れない。けれども今の人間はたとい僅かな苦痛にもせよ、もしそんなものを味わないで同じ結果が得られるならば、その道を取るのを賢いとする。自分たちは自分たちの臆病を耻じるにはあたらない。臆病ならば臆病のようにそれに適応した方策に依って幸福を求めるがいい。そこで要はあらかじめ頭の中へ箇条書きにしておいた下のような条件を出して、「こうしてみたらどうか」