Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

と、二つの国の言葉で云いながら、彼女はうすい瑪瑙色にかがやくグラスへ唇をつける。この女はいつもこうして、此処の家には碌なシャンパンはないと云う口実の下に、自分がこっそり買い込んで置くドライ・モノポールを三割も高く売りつけるのである。

「あなた、あの話考えてくれた?」

「いいや、まだ、………」

「でもどうしてくれるのよ、ほんとうに?………」

「だからさ、そいつがまだだと云ってるんだよ」

「ちょッ、いやンなっちまうなあ、いつでもまだだまだだって。―――この間あなたに話したでしょう? あたしの方は千円でもいいのよ」

「聞いたよ、そいつは」

「じゃあ何とかしてくれない? 千円ぐらいなら考えてみるって云ったじゃないの」

「云ったかしらん、そんなことを」

「うそッつき! だから日本人は嫌いだって云うんだ」

「お気の毒様、どうも日本人で相済みません。いつかのあの、日光へ連れて行ってくれた亜米利加のお金持はどうしたんだい?」

「そんな話をしているんじゃないわよ。あなたほんとうに思ったよりもしみッたれねえ! ゲイシャ・ガールにならいくらだって出す癖に」

「冗談じゃあない、僕をそんなお金持だと思ってるのが間違いなんだよ、千円と云えば大金だからな」