Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
を口にして、西洋かぶれのしたものは何に限らずダークのあやつりと同じように腰がきまらない、うすっぺらだと云ってしまう。尤も老人の言い草には常に多少の掛け値があって、一と昔前はそう云う御自身が歯の浮くようなハイカラ振りに身を窶していた時代もあるのだが、日本の楽器は単純だなどと云おうものなら躍起になって得意のお談義が始まるのである。そうなると要はつい面倒で好い加減に引き退ってしまうけれども、心のうちでは一概にうすっぺら扱いされるのに平らかでないものがあった。彼は自分のハイカラは、今の日本趣味の大部分を占めている徳川時代の趣味と云うものが何となく気に食わないで、その反感から来ていることは自分にはよく分っていながら、それを老人に納得させる段になると、何と説明したらいいか云い現わしように困るのであった。彼の頭の中にある漠然とした物足らなさは、つづめて云えば徳川時代の文明は調子が低い、町人が生んだものであるから、何処まで行っても下町情調が抜け切れない、と云うところにあるかも知れない。東京の下町に育った彼が下町の気分を嫌う筈はなく、思い出としてはなつかしいものに違いないが、一面には又、下町ッ児であるが故に土地の空気が鼻に附いて卑俗な感じがする訳でもある。