Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

「まあ、男の立ち場としてはそういうのが当然ではある。でなけりゃ自分が人の家庭を破壊することになるんだから」

「それにもともとこの話は何処までも三人が合意の上のことにしよう、阿曽にも、美佐子にも、僕にも、みんなに都合のいい時を待とうと、そう云う約束なんだからね」

「けれども都合のいい時なんて、一体いつになったら来るんだ。誰か一人が決然たる処置を取らなかったら、そんな時は永久に来るもんじゃない」

「いや、そうでないよ、―――たとえばこの三月の学校の休みなんかも、実は一つの機会ではあった。と云うのは、僕は子供が胸一杯に悲しい思いを包みながら、学校の教室なんぞで不意にはらはらと涙をこぼしたりすることを想うと、そいつがとてもたまらないんだ。だから学校が休みでさえあれば、旅行にでも連れて行ってやるとか、活動写真でも見に行くとか、何とでもして紛らしてやることが出来るだろうし、そのうちには少しずつ忘れて行くようになると思うんだ」

「じゃあ、なぜそうしないんだ」

「今月は阿曽が困ると云うんだ。阿曽の兄が来月初旬に洋行するんで、出先にごたごたを起すのもいやだし、兄が日本に居ない方が故障が少いと云う訳なんだ」