Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
「しみッたれなもんか、あなたが慾張り過ぎるんだよ」
「だって、呉絽なら三本だが、緞子なら二本だなんて、―――」
「それで厭なら、たって差し上げようとは申しません。此方も大きに助かる訳だ」
「ふ、ふ」
半分は上の空らしいあいそ笑いをしただけで、しずかにページを繰る音が聞えた。
「当分はあれに夢中らしいな」
と、廊下を曲りながら高夏が云った。
「ええ、何でも珍しいうちだけで、長つづきはしないのよ。子供に玩具をあてがったようなものなんですから」
美佐子は八畳の茶の間へ這入ると、夫のすわる座布団の上へ客を請じて、自分は紫檀のチャブ台の前にすわりながら、
「お小夜や、トーストを持って来ておくれ」
と、台所の方へ云いつけておいて、うしろの桑の茶箪笥をあけた。
「紅茶がいい? 日本茶がいい?」
「どっちでもいい。何かお菓子のうまいのはないですか」
「西洋菓子なら、ここにユーハイムのがあるわ」
「それで結構。人の食うのをただ見ていたってつまらんからな」
「ああ、ここへ来たんでせいせいしたけれど、でもまだ何だか臭いようね」
「幾らかあなたにも移ったか知れんね。まあ何と云うか、明日出かけて御覧なさい」