Classici giapponesi con furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Leggi 註文帳 (ちゅうもんちょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.770 caratteri · 67 schermate
溌としちゃあ、お客にまで気を悪くさせるから伏せてはあろうが、お前さんだ、今日は剃刀を扱わねえことを知っていそうなもんだと思うが、楼でも気がつかねえでいるのかしら。」
「ええ! ほんとうかい、お前とは妙に懇意だが、実は昨今だから、……へい?」と顔の筋を動かして、眉をしかめ、目をると、この地色の無い若い者は、思わず手に持った箱を、ばったり下に置く。
「ええ、もし、」
「はい。」と目金を向ける、気を打った捨吉も斉しく振向くと、皺嗄れた声で、
「お前さん、御免なさいまし。」
敷居際に蹲った捨吉が、肩のあたりに千草色の古股引、垢じみた尻切半纏、よれよれの三尺、胞衣かと怪まれる帽を冠って、手拭を首に巻き、引出し附のがたがた箱と、海鼠形の小盥、もう一ツ小盥を累ねたのを両方振分にして天秤で担いだ、六十ばかりの親仁、瘠さらぼい、枯木に目と鼻とのついた姿で、さもさも寒そう。
捨吉は袖を交わして、ひやりとした風、つっけんどんなもの謂で、
「何だ、」
「はい、もしお寒いこッてござります。」
「北風のせいだな、こちとらの知ったこッちゃあねえよ。」
「へへへへへ、」と鼻の尖で寂しげなる笑を洩し、