Classici giapponesi con furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Leggi 貞操問答 (ていそうもんどう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.240 caratteri · 399 schermate
」
あんまり、物いいが率直で、かえって嘘か真実か、区別がつかないような美和子に、前川は思わず苦笑を浮べながら、胸の中は、前にいる美和子のことよりも、新子のことで一杯だった。
新子に、つい最近まで愛人があったとして、それが今美和子と結婚しかかっているとしたら、前川はその結婚が滞りなく、早く纏まってほしかった。新子の周囲には、愛人らしいものの、翳影も落ちていない方が、のぞましかった。こうして、新子の面倒を見ていて、いつかどうしようという野心は、神に誓ってないと前川は自分で思っている。また軽井沢で、自然の力と境遇の偶然性に駆られて、ちょっと唇を触れただけでも、その怖しい報いが、踵を接してやって来た。だから、懲り懲りしている。清浄に、潔く、心持の上でも、その野心の芽を摘み取っているのであるが、しかし自分があきらめているだけに、新子の周囲も、掃き浄められたものであって、ほしかった。自分が足を踏み入れない聖域には、他人にも足を踏み入れてもらいたくなかった。だからその美沢という男は、早く美和子と結婚してほしかった。
「でも、その美沢さんという方は、いい方じゃないんですか。