Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Leggi 貞操問答 (ていそうもんどう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.240 caratteri · 399 schermate

Aozora Bunko

五

。

夫人は、心の爪は、油断なく磨いで、しかも面は、笑みこぼれながら、

「新子さんとも、あれからまだお目にかかっていないのよ。今どうして、いらっしゃるの。あの方、ずーっと私の家に、居て頂きたかったのよ。それが、ちょっとした行き違いで、急に帰っておしまいになって、私ガッカリしているんですよ。子供もよく、なついていて、ほんとうにいい方だったわ。今、どうしていらっしゃるの?」

「まあ!」と、圭子は正直に呆れてしまった。妹の話では、奥さまとの感情の衝突で、たまらなく厭であるらしい容子であったが、この奥様のどこが、そんなに厭なのだろうか。見たところ、賢そうで、親切そうで、しかも現在、暇を出した後までも妹のことを案じていてくれるではないか。圭子の考えでは、これはどうしても、新子の心が、わがままで、強情であったとしか考えられなかった。

「奥様が、そんなに思っていて下さるのに、あの人わがままなんですのね。」と、心から気の毒そうに、申し訳をすると、

「いいえ。新子さんが、悪いわけでもないのよ。原因といえば、子供のけんかのようなの。ちょっとこうなのよ……」と、夫人はますます親しみを見せて、支度という字を、自分が小太郎に仕度と教えたことから、それが新子に支度と訂正されたことだけを、全部の原因のように面白可笑しく話した。