Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate
あの久松型の正直で弱そうな千代松が、三千両をどうしようという人間とは思えません。
「先刻五左衛門を取って押えた、長谷倉甚六郎という浪人者は、ありゃどんな方だい」
「立派な方でございます。町内の若い衆にいろいろのものを手ほどきして、十年もこの隣に住んでいらっしゃいますが、あんな智恵者で、あんな立派な方はございません。――娘のお関などは、どんなに可愛がって頂いたことか」
「すると、三千両はどこで誰が入れ替えたのだろう」
平次もここまで来ると、ハタと当惑してしまいました。
「江島屋さんが、そんな事をなさるはずもございませんが、――それでも、ここでなく、途中でないとすると――」
常右衛門は江島屋の主人や番頭を疑っているのでしょう。
「とにかく、本当に江島屋から出したものなら、どこかに隠されているに違いない。何とか捜し出す工夫もあるだろうから、あんまり気を落さない方がいい」
平次はそう言って常右衛門を慰めずにはいられませんでした。この主人は、本当に首でも縊りそうだったのです。
「縁談は破れたも同様ですから、江島屋さんからは、明日にも三千両の結納を返せと言って来るに決っております。