Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate

Aozora Bunko

「おや、銭形の」

「三輪の兄哥でしたか」

嫌な者に逢ったとは思いましたが、平次はさすがに、縄張にこだわる男ではありません。

「この辺は石原の親分の縄張だが、銭形のは利助兄哥に頼まれていなさるてえじゃないか」

「とんでもない」

平次は少し尻込みしました。やくざや遊び人と違って、岡っ引御用聞に縄張などがあるわけはなかったのです。

「それじゃ俺が出しゃ張っても、文句はあるまいね」

「それはもう、三輪の兄哥、お互にお上の御用を承る身体だから、一刻も早く犯人を挙げさえすりゃいいわけで」

「下手人はもう挙がったよ」

「?」

三輪の万七のニヤリとする顔を見ると、ガラッ八はそっぽを向いてペッと唾を吐きました。

「この上、銭形のが来たところで、気の毒だが仕事はあるめえよ」

万七は言いたい放題の事を言うと、背を向けて人混みの中へ顎をしゃくりました。

「親分、参りましょうか」

子分の者が二人、物々しくも縄を打って引いて来たのは地獄極楽人形の小屋に居る美しい木戸番、あの両国中へ桃色の次高音を撒き散らしている、お倉だったのです。

「銭形の親分さん、お助け――」

お倉は摺れ違いざま、平次の耳に囁きました。