Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate
「あッ、どこで、それを」
「現場近くの庇の上に投り上げてあったよ」
「そうか、下ばかり捜していたが――」
万七は忌々しそうに舌打ちをします。
「お寿、――この剃刀に見覚えがあるだろう。正直に言ってくれ」
と平次。
「…………」
一と目、お寿はサッと顔色を変えました。血に染んで斑々としてはおりますが、柄に巻いた籐や、使い込んだ刃の減りに、見違えようはなかったのです。
「どうだ」
「ハ、ハイ、――どうしてそんな所へ行ったんでしょう」
「お寿の品に相違あるまいな」
「ハイ」
これはお寿にとっては罪の白状も同じことでした。それを聞く万七はもう袖の中の捕縄を爪捜っております。
「銭形の、お蔭でこの女の口を開けさせたよ。剃刀が出さえすれば、こっちのものだ」
「待ってくれ、三輪の兄哥、――お寿の家から剃刀を盗み出せる曲者なら、鏡台の抽斗か屑籠から抜け毛を持出すのは何でもないぜ」
「何だと、銭形の」
万七は仰天しました。平次の言葉があまりにも変っていたのです。
「三輪の兄哥、――気が付かないはずはないが、この毛はみんな古い抜け毛だと思うが――」
「えッ」
「根のある毛が一本もないし、両端が細くなって枯れているところを見ると、切れた毛や毟り取った毛でもない」