Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate
盗られた金は何千両、傷つけられ、殺された人も三人や五人ではありませんが、あまりの神出鬼没ぶりに、銭形平次も手の下しようがなかったのです。
町内では、夜廻りを増やし、時候外れの火の番を置き、鳶の者まで動員して、曲者狩りに努めましたが、冬からの跳梁を指を啣えて眺めるばかり、かつて曲者の姿を見た者もなく、よしんば見た者があるにしても、その場で斬られるのが落ちで、怨嗟と恐怖が、下町一パイに、夕立雲のように拡がって行くのを、どうすることも出来ない有様でした。
「親分、やられましたよ」
八五郎か飛込んで来たのは、その翌日の朝。
「何がやられたんだ」
「中江川さんのところへ、あの泥棒が入りましたよ」
「えッ、そいつは大変だ」
平次は羽織を引っかける隙もなく、草履を突っかけて飛んで行きました。そこからほんの二三町。
「退いた退いた、見世物じゃねえ」
ガラッ八が群がる野次馬を追っ払う中へ、平次は熱い物のさめない中に――と言った大あわての調子で飛込んだのです。
「あ、銭形の――よく来て下すった、この通りの始末だ」
おろおろするのは、主人の中江川平太夫。見事な銀色の毛を申訳ほどの髷に結って、物を言う度ごとに、言葉のリズムに乗って、首がブルブルと顫えます。