Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate
「よしよし、助けてやる、心配するな」
「それから、娘にはこの左孝が父親だったとは教えないで下さい、――赤の他人に危ないところを助けられたと思って、大怪我をした私を介抱するような優しい娘でございます」
それを聞く三輪の万七も、鬼の眼の涙ほど睫毛を濡らしておりました。
*
お駒は番所へなど連れて行かれたのではありません。その晩のうちに許された伴三郎と、平次と万七が仲に入って仮祝言の話まで進められておりました。
何もかも見尽して、淋しくあきらめたお勢は、
「八五郎親分のところへ押しかけ嫁に行きますよ。可愛がって下さいな」
そんな事を言いながら、ポロポロと泣いているのでした。
「親分、何だってあの時お駒を伴れ出したんで。下手人があの左孝とは、親分には前から判っていたんでしょう」
ガラッ八がこう切り出したのは、その翌る日でした。
「あんな細工でもしなきゃ三輪の兄哥が本当に髷を切るよ」
「…………」
ガラッ八は黙って、この世にも優れた心構えの親分を見上げました。お蔭でこの手柄も銭形の平次はフイにしてしまったのです。