Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate

Aozora Bunko

四

四

平次とガラッ八は一応屋敷の中にいる人間全部に逢ってみました。男は用人の外に中間、小者、庭掃きの爺、女はお小間使のお延、仲働きのお米、外にお針に飯炊き。それからもう一人、主人大坪石見の甥で、宇佐川鉄馬というもっともらしい四十男が、小峰右内の手伝いをして、十年越しこの屋敷の掛り人になっております。

「私は宇佐川鉄馬、――平次殿か、なにぶんよろしく頼みます」

薄髯を生やした、少し無精らしい角顔の背の低い男――いつでも眠そうで、無口ですが、そのくせ仕事には至って忠実で、障子も張れば、水も汲むといった肌合の人間です。

「お嬢様をつれ出した若い背の高い侍というのにお心当りはありませんか」

平次はそんな事から始めました。

「いや一向――私は滅多に浜路さんとは口をきかないのでな」

宇佐川鉄馬は照れ臭そうに笑います。腹の底から女を諦めていそうな男です。宇佐川鉄馬は、本当は三十を越したばかりですが、誰の眼にも四十過ぎとしか見えない無精男です。

「お嬢さんの代りになっている、あのお関とかいう娘はどうです」

「お関というのかな、あの娘は。先刻まで私は真物の浜路だなんて言い張っていたが――もっともそんな天一坊気取りさえなければ、とんだ良い娘だ。