Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.244 caratteri · 231 schermate
三
「指図されたって不足はあるめえ。菊松は顔の古い御用聞だ」
銭形の平次もとうとう御輿をあげる気になったのも無理はありません。それほどこの仏敵殺しは変っていたのです。
谷中三崎町へ着いたのは、もう薄暗くなってからでした。町内付合いもろくにない叶屋では、通夜なども至って淋しく、店中の者に親類が二三人、それにお徳とお雛が加わって、何かしら上の空の逮夜が営まれております。
「人間が死んでも、これくらい人様になんとも思われないのはキビキビしているじゃありませんか。ね、親分」
愁歎とはおよそ縁の遠い、そらぞらしい空気を見ると、ガラッ八は遠慮のない調子でやります。
「黙っていろ」
平次はそれをたしなめながら、遠慮してお勝手口へ顔を出しました。
「まあ」
中腰になって何か仕事をしながら、灯いっぱいに振り仰いだのは、ガラッ八が人七化三と言った飯炊きのお三でしょう。不安らしく見張った大きい眼、霜焼けのした赤い頬、少し仰向いた低い鼻、綺麗でないことに論はありませんが、どこか明けっ放しで、正直そうで、憎めないところのある二十歳くらいの娘です。
「親分さん方じゃないの。お通しするものよ、お三さん」