Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.244 caratteri · 231 schermate
六
蓋は少しの隙間もなく、ピタリと唐櫃の上に納まって、二人や三人では、ちょっとも透かせそうもありません。人間が首を突っ込むほど開けるためには、どうしても三四人の力を協せなければならなかったでしょう。
「これを一人で開けるのが仕掛けだったんだ」
平次は紐の付いた棒を、唐櫃と蓋の間に造った、少しばかりの彫り窪みに当ててグイと押しました。
「あッ」
蓋はまさに三寸ほども口を開いたのです。素早く左手を働かせて、その隙間に短い棒を挟んだ平次は、同じ作業を幾度か繰り返しているうちに、とうとう一番長い一尺五寸の棒を唐櫃と石の蓋の間の突っかい棒にし、人間が上半身を入れて、楽々と千両箱を取出せるほどの大きな口を開けさせてしまったのです。
「ここへ弥惣が首を入れた。弥惣ほどの者も唐櫃の中の小判に眼がくれて、突っかい棒に付いている真田紐などには気が付かなかった」
そう言いながら平次は、手頃の空箱を一つ、唐櫃の蓋の間に挟み、
「腕ずくでは、弥惣をどうすることもできなかった下手人は、後ろからチョイとこの紐を引いた」
言葉と共に突っかい棒の紐を引くと、
「あッ」
ガラッ八も、佐吉も、佐吉の子分も思わず声をあげました。