Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.244 caratteri · 231 schermate

Aozora Bunko

一

その晩、代地のお秀の家で、月見がてら、お秀の師匠に当る、江戸小唄の名人十寸見露光の追善の催しがありました。

ちょうど八月十五夜で、川開きから三度目の大花火が、両国橋を中心に引っ切りなしに打揚げられ、月見の気分には騒々しいが、その代りお祭り気分は、申分なく満点でした。

追悼といったところで、改まった催しではなく、阿呆陀羅経みたいなお経をあげ、お互に隠し芸を持ち寄って、飲んで食って、花火が打ち止んだ頃お開きにすればそれでよかったのです。神祗釈教恋無常を一緒くたにして、洒落のめしてその日その日を暮している江戸時代の遊民たちは、遊ぶためには法事も祝言も口実に過ぎなかったのです。

お秀は代地の船宿の娘で、今年二十四の、咲き過ぎた年増でしたが、自分の容貌に溺れて、嫁ぎ遅れになり、両親の死んだ後は、船宿の株を人に譲って、有り余る金を費い減らすような、はなはだ健康でない生活を続けているのでした。

折悪しくその日は昼過ぎから大夕立、一としきりブチまけるように降りましたが、暮近い頃から綺麗に上がって、よく洗い抜かれた江戸の甍の上に、丸々と昇った名月の見事さというものはありません。