Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.244 caratteri · 231 schermate

Aozora Bunko

「何か書いたものがなかったでしょうか」

平次は顔を挙げて訊きます。

「さア」

心もとない主人の後ろから、小僧の常吉が顔を出していることに平次は気が付きました。

「小僧さん、気が付かなかったかい。この机の上に、何か書いたものがあったはずだと思うが――」

「ありましたよ、親分」

「?」

「今朝、たしかにあったんです。半紙へ書いて畳んだのが、私とお作どんが見たときは、机の上にあったに違いないが、大勢入って来た時は、もうありませんでしたよ」

「大勢というと――」

「お作どんが無暗に大きな声を出すから、店中の者が飛んで来るじゃありませんか」

「一番先に来たのは誰だい」

「福松どんですよ。それから吉五郎どん、その次は番頭さんで、それから――」

「よくそんなことが判るんだね」

「あっしはね、親分の前だが、御用聞になろうと思っているんで。ヘエー、銭形の親分の二代目を狙っているんですよ」

「そいつは豪儀だ。――ところで、机の上の手紙を隠したのは誰だか知っているだろう」

「知っていますよ」

「誰だい、そいつは」

「…………」

小僧の常吉は不意に黙り込んでしまいました。平次は驚いて四方を見ましたが、眼の及ぶ限りでは、常吉を牽制していそうな人間もありません。