Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十四)雛の別れ
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十四)雛の別れ (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.139 caratteri · 233 schermate
幸い傷は摺り剥きと引っ掻きだけ、生命に別条のあるのは一つもありません。
「驚いたの驚かないのって、こんな目に逢うと知ったら、親分も一緒に行って貰うんでしたよ」
ガラッ八の仕方話は始まりました。
赤い御神籤を取った怪しの男をつけて行くと、駒形から、お蔵前を、両国へ出て、本所へ渡って、深川へ廻って、永代を渡って築地へ抜けて、日本橋から神田へ、九段を登って、牛込へ出て、本郷から湯島へ来ると、日はトップリ暮れたというのです。
「腹ごしらえはどうした」
平次は訊きました。
「呑まず食わずですよ。塩煮餅を買う隙もありゃしません。恐ろしく足の達者な野郎で、うっかりすると姿を見失います。でも半日歩きつづけて、上野へ来たときは二人ともヘトヘト、歩いてるんだか、這ってるんだか解りゃしません」
「馬鹿だなア」
それが平次の深甚な同情の言葉でした。
「谷中へ入った時、あんまり癪にさわるからとうとう武者ぶりつきましたよ。このまま続けた日にゃ、夜の明ける前に参ってしまう。何糞で、いきなり御用ッと来ましたね。――威勢よくやったつもりだが、口惜しいことに声が出ねえ。半日呑まず食わずじゃ、ろくな唾だって出やしませんよ」