Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

【第一回】

一

【第一回】

一

「世の中に何が臆病と言ったって、二本差の武家ほど気の小さいものはありませんね」

八五郎はまた、途方もない哲学を持ち込んで来るのです。

「お前の言うことは、一々調子ッ外れだよ、武家が臆病だった日にゃ、こちとらは年中腰を抜かして居なきゃなるまい」

平次は大した気にも留めない様子でした。障子を一パイに開けると、建て混んだ家並で空はひどく狭められて居りますが、一方から明神様の森が覗いて、何処からか飼い鶯の声も聞えてくると言った長閑さ、八五郎の哲学を空耳に聴いて、うつらうつらとやるには、申分の無い日和です。

「でも、そうじゃありませんか、親分、武家も大名ともなれば、年がら年中自分の首ばかり心配して、障子に桟をおろしたり、お妾との陸言にまで、見張りの殿居が、屏風の陰で耳を済まして頑張っているというじゃありませんか、そうなった日にゃ、色事だって身につきませんね、親分」

「だから大名にはなり度くないと言うんだろう、良い心掛けだよ、お前は」

「旗本は家人だって自分の首を何時取られるかと思って、ビクビクしながら、一生を送って居るようなのは、随分沢山ありそうじゃありませんか。