Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate

Aozora Bunko

「こいつは猿の毛じゃないか」

という者がありました。

「猿の毛、猿の毛、それに間違いはない」

平次もようやく自信がつきました。

「猿の毛がこんなところにあるのは、どういうわけだ」

同心の伊藤治太夫でした。

「猿を使って、床下の格子から潜り込ませ、お勝手の落しから、床板を押しあけて入り込んだんじゃありませんか」

八五郎の知恵でした。

「それから?」

「よく馴らせば、猿は利口だから、お勝手の桟や輪鍵位は外せますよ」

「成程」

伊藤治太夫はすっかり感心して居ります。猿回しに使って居る、日本産の小猿は、五寸位の隙間からは楽に入れるだろうし、教え込めば随分、お勝手へ出て、裏口の戸位はあけ兼ねないでしょう。

「猿を使ってそんな事が出来るとすれば、こいつは聞いたこともない新手だ」

平次は半ば承服し、半ば疑を残しました。

「兎も角、閉め切った庵寺へ、黒旋風が忍び込み、いきなり庵主を脅して千両の金を盗んだ上、寺男に化けて逃げうせた事は確かだ。――押込む者にばかり気を取られて、寺から出て行く、寺男と小僧に油断をしたのが間違いだが、猿を使ったとすれば、思いの外早く足がつくだろう」

同心伊藤治太夫は、自分の弁護のために、自分自身へ言い聞かせるようにこう言うのでした。