Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate
橋の上を行くのは貧しい人、上見て通れ、と戒めた橋間船の贅沢さは、眼を驚かすものがあったのは当然として、それに劣らず、両岸の桟敷、涼み櫓は、水面を圧する絃歌と、嬌声と、酒池肉林の狂態を競いました。
わけても平右衛門町の佐渡屋――金の実る木を植えたと言われる両替屋の裏座敷には、二階から塀を越して、高々と水に張出した櫓を架け、女主人お兼を中心に、店の者一統、出入りの衆、町内の誰彼れ、山の手の親類まで、ざっと四十人余り、鬼灯提灯をかけ連ねた下に、此世の終る日までも続きそうな、底抜けの狂態が展開されて居りました。
水の上の使用は、今も昔も、やかましく取締られたのですが、でも、川面を通る船に支障が無ければ、大概のことは大眼に見られ、佐渡屋の裏の水面に乗出した危ない櫓も、この夜の興を添える、一つの企画として、面白がられ、囃され、羨ましがられて居たのです。
戌刻半(九時)過ぎになると、興はまさに酣わでした。土地の芸子が三人、恐ろしくブロークンな調子で三味線を掻き鳴らしながら、酒のために旋律を失った歌をわめくと、それに合せて、大入道の太鼓持が、滅茶々々に踊りまくっている真最中。