Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

社で起った事件は、民事的なものは別として刑事上の事件は、江戸の治安を背負って立つ、町奉行配下の与力同心に任せ、寺社の係りは事件を委嘱した形式を採って、手を引いて報告を聴くのが慣例になって居たのです。しかし、納まらないのは、此辺を縄張にして居る三輪の万七でした。

「銭形の親分の前だが、もう下手人が挙って居るんだぜ。親分に汗を掻かせる程のこともあるめえよ」

などと、はなはだ平らかでない調子です。

「有難う、このまま引揚げて、晩酌でもやる方が気がきいているが、眠り薬が池の端の丸屋から盗まれた物らしいから、毒薬の御取締の手前放っても置けない」

平次は穏やかに弁解しました。

「なアに、つまらねえ泥棒さ、三千両の小判が見付かりさえすれゃ」

万七はひどく軽くあしらって居りますが、事件には底の底がありそうで、企みの深さに、平次は圧迫的な予感さえ持って居たのです。

「ところで、その寺男の釜吉というのが、大きな荷物を背負って来たと言ったが、門跡前の寺から此処までの道順と、時刻を調べたことだろうな」

「そんな事にぬかりがあるものか、花川戸で喉が乾いたから、一杯呑んだと言って居るが、調べてみるとそれも確かだ。