Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

「あわてた野郎だ――揚羽のお艶がどうしたんだ、俺は腹を拵えねえうちは、お大名に取立てると言っても、出かけねえことにしてあるんだ」

「殺しですよ、親分、江島屋鹿右衛門の塀の上で、薊の三之助が忍び返しに引っ掛ったまま、百舌の贄のようになって死んでいるんだ、こいつは江戸開府以来の変った殺しじゃありませんか」

「江戸開府以来の殺しは大袈裟だが――兎も角、行って見ようか」

さすがに平次でした、そのまま朝飯も忘れて、手早く出かける仕度に取かかるのです。

「親分、腹拵えは?」

「もういいよ」

「お大名に取立てられても――と言ったじゃありませんか」

「お大名に取立てられても動かねえ積りだが、仕事は別だ」

「てヘッ、有難えな親分」

八五郎は額を叩いて、ペロリと長い舌を出すのです。自分もまだ朝の餌にもありつかない癖に、そう言った親分の心意気が嬉しくてたまらない八五郎です。

金沢町まではほんの一と走り。

「あ、これは大変な騒ぎじゃないか」

江島屋の裏、狭い路地を埋める野次馬の群に、平次は先ず胆をつぶしました。

「親分に見せるまで、放って置くように、やかましく言って置きましたよ」

八五郎は心得たことを言います。