Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
その癖彼の性質として、兄夫婦のごとく、荏苒の境に落ちついてはいられなかったのである。
そのうち薄い霜が降りて、裏の芭蕉を見事に摧いた。朝は崖上の家主の庭の方で、鵯が鋭どい声を立てた。夕方には表を急ぐ豆腐屋の喇叭に交って、円明寺の木魚の音が聞えた。日はますます短かくなった。そうして御米の顔色は、宗助が鏡の中に認めた時よりも、爽かにはならなかった。夫が役所から帰って来て見ると、六畳で寝ている事が一二度あった。どうかしたかと尋ねると、ただ少し心持が悪いと答えるだけであった。医者に見て貰えと勧めると、それには及ばないと云って取り合わなかった。
宗助は心配した。役所へ出ていてもよく御米の事が気にかかって、用の邪魔になるのを意識する時もあった。ところがある日帰りがけに突然電車の中で膝を拍った。その日は例になく元気よく格子を明けて、すぐと勢よく今日はどうだいと御米に聞いた。御米がいつもの通り服や靴足袋を一纏めにして、六畳へ這入る後から追いて来て、
「御米、御前子供ができたんじゃないか」と笑いながら云った。御米は返事もせずに俯向いてしきりに夫の背広の埃を払った。刷毛の音がやんでもなかなか六畳から出て来ないので、また行って見ると、薄暗い部屋の中で、御米はたった一人寒そうに、鏡台の前に坐っていた。