Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
「外套が欲しいって」
「ああ」
御米は夫の顔を見て、さも気の毒だと云う風に、
「御拵らえなさいな。月賦で」と云った。宗助は、
「まあ止そうよ」と急に侘しく答えた。そうして「時に小六はいつから来る気なんだろう」と聞いた。
「来るのは厭なんでしょう」と御米が答えた。御米には、自分が始めから小六に嫌われていると云う自覚があった。それでも夫の弟だと思うので、なるべくは反を合せて、少しでも近づけるように近づけるようにと、今日まで仕向けて来た。そのためか、今では以前と違って、まあ普通の小舅ぐらいの親しみはあると信じているようなものの、こんな場合になると、つい実際以上にも気を回して、自分だけが小六の来ない唯一の原因のように考えられるのであった。
「そりゃ下宿からこんな所へ移るのは好かあないだろうよ。ちょうどこっちが迷惑を感ずる通り、向うでも窮屈を感ずる訳だから。おれだって、小六が来ないとすれば、今のうち思い切って外套を作るだけの勇気があるんだけれども」
宗助は男だけに思い切ってこう云ってしまった。けれどもこれだけでは御米の心を尽していなかった。御米は返事もせずに、しばらく黙っていたが、細い腮を襟の中へ埋めたまま、上眼を使って、