Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Leggi 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) di 山崎 富栄 (やまざきとみえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.997 caratteri · 129 schermate

Aozora Bunko

十一月二十九日

お熱も八度五分位はおありになったかもしれない。肺の方へ来ないかと、随分気をもむ。

野原さんがお帰りのあと、片付けも終わって、私も横になったけど、心配でたまらない。脈をとって、私のと合わせる。私のよりせいぜい数回多い位なので少し安心して、冷たいタオルを額におのせし、代わりをおいてやすむ。

カルモチンをお飲みになったせいか、お熱のせいか、ぐっすりと深く眠っていらっしゃる。

十一月二十九日

朝、すっかりお元気になって、お目覚めになってくださる。うれしいと思う。

早速おかゆに玉子を入れて召し上がる。

どうしてもお酒をお放しにならない。何かこれに頼って生きているお気持ちがおありになるのでしょう。

湯タンポを入れて、とっても長く、とっても深い眠りにはいられる。

じーっとお顔を眺めていると、私が修ちゃんのお母様かなんかのような気持ちがしてきて、「この子のために、この子のためには、どんな苦しみでも――」と胸の中があつくなってくる。

そんな気持ちでいるときに、突然お目ざめになって、「サッちゃん」などと言われると、「ううん?」なんて、まるで病気の甘えっ子に答えるような返事が出てしまって、心の中で赤面している。