Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Leggi 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) di 山崎 富栄 (やまざきとみえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.997 caratteri · 129 schermate

Aozora Bunko

「あるかね」

「ええ、ありますわ」

お餅も三切れほど、お海苔を巻いて召し上がる。

御不浄に降りていらっして、階段を上がっておかえりになるだけでも、ひどい呼吸。

「胸が、ひどく痛みますか」

黙って合点なさってから

「サッちゃん、もう、駄目だよ、もう、見切りをつけたよ」

「家へ帰ったら、もう逢えないような気がするんだ」

「ぢゃぼん、もう一つ買って来た?」

「ええ」

「むいてくれ」

「はい」

「新聞」

「はい」

黙ってむきながら、泣けてきて、泣けてきて、ただ黙って、泣く。

召し上がってから

「眠る」

おふとんをお直しして差しあげようとして、つい顔が合ってしまった。涙がとめどなくこみあげてきて、嗚咽してしまう。

「サッちゃん、い(死)くよ」

「お願い、つれていって」

合点されて

「一緒にい(死)ってくれる?」

「ええ、お願いです。私、ひとりを残さないで、つれて死って下さい」

「いろいろ、世話になったねえ」

「ううん、私こそ……」そんなこと、

「そんなこと、仰言らないで下さい。私の方こそどんなに御迷惑おかけしたか……」

「体さえ丈夫であったらなあ、なんでもないんだのに。サッちゃん、ご免よ」

「いいえ、初めから、死ぬ気で恋をしたんですもの、ご免だなんて、仰言らないで下さい。