Classici giapponesi con furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Leggi 雪国の春 (ゆきぐにのはる) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.000 caratteri · 266 schermate
になったのを、一種の宿命のようにも取ることができたからである。
中一日おいて次の日には、自分は十五浜からの帰りに、追波川を上ってくる発動機船の上にいた。大雨の小止みの間に、釜谷の部落を見ようとして甲板に立つと、曳船を頼むといって濡れた舟が一つ、岸に繋いである所へ一群の人が下りてくる。石巻の医者へつれて行くチフスの病人と聞いて、事務員が面倒な条件ばかりを出すのを、一々首をもって承認して釣台を担いで乗ろうとする。年とった女が二人付いてくる。荷の軽さが子供らしいので、なるべくこの窓だけはのぞくまいとしていたのに、やはりはずみがあってその子供と目を見合わせた。『今昔物語』に鹿の命に代わろうとした聖が、猟人と松明の光で見合わせたという類の遭遇で、ほとんど凡人の発心を催すような目であった。たぶんは出水の川船の数里の旅行の後、石巻で亡くなったことと思うが、それは十一、二ばかりの女の子であった。草の堤をやや下りに、船を見ようとして私を見つけたのである。目の文章は詩人にも訳しえまいが、あるいは自分を医者かと思って、お医者さんなら遠くへ行かずともすむのにと、考えたらしかったのが哀れであった。