Classici giapponesi con furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Leggi 雪国の春 (ゆきぐにのはる) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.000 caratteri · 266 schermate
二
あれはおそらくは日の光の効果か、または気中の水分の加減でもあろう。いま一段と高い緯度に進みと、しだいにこの色が白々と、幾分軽くたよりなくなるように思うことは、北ヨーロッパをあるいた人の、誰でも容易に経験するところである。太平洋岸では仙台松島を過ぎ、一望平遠なる沼沢地域に入ろうとするころから、緑の色のきつさがおいおいに眼に迫ってくる。時刻のせいか空模様かとも考えてみたが、何度通っても同じ感じで、行けば行くほど寂しさが加わり、ついには一人では東北にはくるものでないとさえ思ったこともある。
二
あるいは古人も心づいていたのではないかと思う。もしそうでなければ無意識に、この過多の涼味を加減することを企てていた形跡がある。秋風ぞ吹くの白河を越えると、街道の並木の赤松がことに多くなる。その松の幹の色が何ともいえないいい色に赭くて、常に心をひかれることはおそらくは汽車で通った人にも同じであったろう。それから土地によると、両側に長葉の楊樹を栽えてあり、路傍の人家も努めてその蔭に寄って住もうとしている。この木の幹はまた思い切って黒い。そうして葉も少しばかり、他の木よりは緑が淡いようである。