Classici giapponesi con furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Leggi 魔術師 (まじゅつし) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.264 caratteri · 280 schermate
主人も客も、フラフラに酔っぱらっている。主人が、恐ろしい意味をこめて、ゲラゲラ笑うと、まだ気づかぬ客も、同じ様にゲラゲラ笑った。二人の酔っぱらいの、不気味な大写し。
主人がさっき掘った洞穴を指さすと、客はそれを通路と誤ったらしく、壁の穴へとつき進んで、土の中へ転がり込む。
ハハハハハハ。ワハハハハハハハ。土の中へ転がったまま耐らぬ様に笑っている、可哀相な忍男の大写し。
と、主人の態度が一変した。彼は本当に酔っていたのではない。シャンとすると、驚くべき敏捷さで、そこに置いてあった煉瓦を取り、鏝を持ち、漆喰をすくって、壁の穴へ、煉瓦を二重に積み始めた。
壁の奥では、酔っぱらいが、何も知らずに笑っている。彼の前に、恐ろしい速度で煉瓦の壁が積上げられて行くのを、空ろな目で眺めている。
煉瓦積みの単調な場面が暫らく続く。
やがて、恐ろしい作業が殆ど完成した。あと五六個の煉瓦を余すばかりだ。
「アハハハハハハハ、こいつは耐らぬ。何という滑稽ないたずらだ。オイ、この思いつきは素敵だぞ。お前はうまいことを考えたものだね」
壁の中の、洞穴の大写し。そこに笑いこけた忍男が、そんなことをわめいているのが、ありありと想像される。