Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
まと
魔都
久生 十蘭
Leggi 魔都 (まと) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 293.999 caratteri · 578 schermate
……あんな凄い美しい目を、わちきは生れてから初めて見た。まともに瞶られるとチリ毛だつような気がすることがある。……階下の年寄夫婦の話だと、よくひきつけて大騒ぎをさせるといっていたっけが、気狂いの血統なのかも知れないね。……思いつめたら、何をやり出すかわからないような凄いところがある」
岩井は眼に見えぬほど眉を顰めて、
「なるほど、それはわかったが、花が鶴子を殺ったというのは?」
踏絵は足を踏み伸して、
「ま、その日は「五人坊主」の絵を畳の下へ入れて、なにくわぬ顔をして飛び出したが、それが思いに残ってどうも凄くていけない。それから十五日ほどした朝、花子が出て行った様子だから、素人家の夫帰にいい加減なことをいって二階へ上り、畳をめくって五人坊主を見ると、呪いの灸痕はちょうど臍のところまでいっていて、あとひと焼、心臓に止めを刺せば満願になるようになっている。恐ろしいというよりも、執念深いのに慄え上って、その日もまた這うようにして帰って来たんだ。……その次の晩、今晩はいよいよ満願の日だと思うと、さすがにわちきも落着かない。「五人坊主」の呪いにはずれはないと口伝えにもあるんだが、すると、いよいよ今晩鶴子が呪い殺されるのかと思って、どうにも部屋にいたたまれない。