Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
大鉞をブン廻した。
「右衛門や」
と桂子は云った。
「お前の不平はわかっているが、でも自分のそういう不平を、罪のない他人に移すってこと、不道徳でよくないよ」
「はい」
と右衛門は穏しく云ったが、
「もう不平など申しますまい。……が、もう一度だけもう一度だけ、云わせていただくことにいたしましょう」
大鉞をまた振り上げた。
「色がなま白くてグニャグニャで、意気地がなくて女たらしで、若い娘の純な心を、ひっ掻き廻す青二才、こういう奴は気に食わねえ! ……ましてやそいつの一族の中から、裏切り者が出たとあっては、どうにもこうにも腹が立ってならねえ! ……そういう青二才がこの辺にいるなら、この鉞で真二つにしてやる! 来い! 出て来い! さあ出て来い!」
云い云い小次郎をギラギラと睨んだ。
浮藻と仲よく並びながら、桂子の傍に坐っていた、土岐小次郎は首をちぢめた。
(あぶねえ、オレ殺される!)
「右衛門や」
と桂子が云った。
「そう一刻に云うものではないよ。……どんな人間にだってよいところはあるよ。……お前の攻撃しているその男だって、今に大功をあらわすよ。……それよか物騒な大鉞を、もう手もとへ引っ込ました方がいいよ」