Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「こなたへ」
と八郎と彦七とへ云い、館の方へ案内するべく、先に立って歩き出した。
二人は後からついて行った。
これ以前からのことであったが、賄賂や請託の金や品物で、贅沢にきらびやかに造り飾られてある、田舎の荘司の住居などとは、どうにも思われない豪勢な館の、豪奢な部屋で玉置の荘司は、鬼火の姥と範覚とを相手に、酒を飲み飲み話していた。
「遁がしはせぬよ、大丈夫じゃ」
玉置の荘司はこう云いながら、さぞ胸毛など多かろうと、そう連想されるほどに、手の甲から指へかけて、黒い長い毛の生えている、熊のような手で胸を打ってみせた。
「わしは芋ヶ瀬の荘司とは違う。わしはあんな意気地なしではない。どうあろうと宮家は討って取るよ」
「それでこそ武家方でございます」
もうお得意の追従口を、こう利きながら鬼火の姥は、さらにいっそう煽るように云った。
「宮様御首級さえあげましたら、車の庄と六千貫とは、あなた様のものでござりまする。これまでのご知行と合わせましたら、たいへんもない高になりまする」
「そうともそうとも」
と荘司は云った。
「が、わしとしてはご恩賞よりも、昔から武家方の武士としての、つくすべきことをつくしたいのでな」