Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate

Aozora Bunko

「ますますお盛んで……」

俺は玉塚をひやかした。

「戦争小説のネタの仕込みかい」

「砂馬慷一みたいにアブク銭は稼げないからね。戦意昂揚の小説でも書いて稼ぐよりしようがない」

玉塚はいやに落ちつき払っていた。もととちがって、ふてぶてしさを身につけているのが俺には意外だった。意外な人物に会ったという実感は、そこから来ているのかもしれぬ。

「加柴君はなにを仕込みに……?」

「俺かい」

返事に窮すると玉塚が、

「あんたは露悪が好きだが、ほんとはいい人だな」

「大きく出やがって、なめるな」

「上海で砂馬慷一に会ったが」

「俺のような小悪党とちがう大悪党に、タマさんもすっかり圧倒されたか」

「小悪党は僕さ」

「俺はお人よしか」

「加柴四郎は悪党でもなければ、お人よしでもない」

「じゃなんだ」

「根っからのアナーキストだ」

なんと言う村だったか、名前は忘れたが、川に沿ったその村に俺たちがはいると、家の壁に白いペンキでなまなましく、

老百姓們起来

殲滅東洋鬼子

と大書してあるのが眼についた。農民たちよ蹶起して日本軍を殲滅せよ。遊撃隊が書いて行ったのだ。

駆逐日寇

救老百姓

壁書にはこんなものもあった。