Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate

Aozora Bunko

その尻が部屋から消えかかったとき、丸万がテキヤのチョウフ(隠語)で、

「ガセビリ(淫売)にしちゃ、ハクイ(いい)ナゴ(女)だ」

と俺にささやいた。低い声だったが、クララの耳にはいったらしく、ひょいと振り返ったクララは、分るわよといったこわい顔をして見せた。

「俺にゃ、なんのことか分らねえ」

と俺は首をすくめた。

クララはとんとんと階段を降りて行った。ついぞこれまで、クララがあんな足音を立てるのを聞いたことはない。どういうんだろうと俺はその足音に耳を傾けながら、

「いい子だろう」

とまた丸万に言った。

「あんなハクイ子がどうしてガセビリになったんだろう」

そう言って、丸万は脂の浮いた顔をつるりと手で撫でおろして、

「ヒモがついてるんじゃねえかな」

「ヒモが? ついてたって、かまわねえ」

と俺は力んで、

「気立てのいい子だぜ。ヒモがついてるような女とは思えないが」

「それが臭えのさ。そういう子にかぎって、男の食い物になるんだ」

「俺の女に、ケチをつけようってのかい」

「おめえの眼も節穴になっちまったのか」

「俺はあの女を、どうあっても、俺のものにしてみせる」

俺は拳を固めて、ちゃぶ台をたたいた。