Classici giapponesi con furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Leggi いやな感じ (いやなかんじ) di 高見 順 (たかみじゅん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 292.113 caratteri · 587 schermate
水を浴びたみたいに裸の上体から汗をしたたらせたおやじは、塩をなめなめ、仕事をしているのだ。塩をなめたあと、瀬戸びきのヤカンの口から水をガブ飲みする。
フキの日は、こうして塩をなめなめ仕事をしないと、身体が弱ってしまうのだ。すごく汗をかくからだが、たとえば裸の皮膚に「湯」の飛沫がかかっても、汗のためにつるりと滑って、奇態に火傷をしない。それほどのすごい汗なのだ。塩をなめなかったら、参ってしまう。
ところが、この時の俺にはまるで、神聖な仕事場が俺の出現でけがされたのを、おやじは怒って、塩で浄めようとしたみたいに見えた。実際、そう言えば、俺はリン病やみのけがれた身体なのだ。
左様、あの慷堂の家で酒をガブ飲みした俺は、せっかくのそれまでの摂生を、それでいっぺんに、ふいにしてしまったわけだ。
それを俺は、特別の好意で治療してくれているセツルの若い医者に対して、相すまぬことだというふうに考えた。小便がやっと澄んできたのに、これでまた濁り出した――とあっては、セツルの医者に申しわけない。そこをひとつ、なんとかごまかさねばならぬと思った。
もう治療してやらぬと言われたら困るというより、そうなったらそれで、かまいはしないという俺の腹だったが、さきさまの好意をふみつけにしたことになるのが、いやだったのだ。