Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Leggi おごそかな渇き (おごそかなかわき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.042 caratteri · 71 schermate
「いや、それじゃあだめだ」と竹中が云い、自分のへぎ板から取って教えた、「こういうぐあいに、端から巻いて喰べるんです」
松山隆二は云われるとおり、熱いそれを吹きさましながら端から巻き、竹中のやりかたを見まねてかじった。それは香ばしくて歯当りはよかったが、喰べると舌にざらざらするのが気になった。うまいですね、と彼は云った。
「うまくはないさ」と竹中が喰べながら云った、「黍餅といってね、面白いことにもち黍なら粘りがあってうまいんですが、それは嗜好物で都会からの需要も多いし、したがって高価だから、われわれはもとより、作っている者の口にもなかなかはいりません、これはうるち黍で、貧農にも嫌われるまずいものですよ、けれど安価なことと腹もちがいいのと、拵えるのが簡単なので、山仕事にはもってこいです、なにしろ稗や粟より扱いやすいことは慥かですよ、――まずかったら遠慮なく残して下さい」
いいえうまいです、と松山隆二は答えた。
日は昏れてしまい、小屋の中も暗くなった。燈火用の品はなにもなく、炉の火をそのまま明りにしているようであった。食事が済むとすぐに、かまをみてくると云って、竹中啓吉は出ていった。