Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Leggi おごそかな渇き (おごそかなかわき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.042 caratteri · 71 schermate
七
しかしそうすれば、りつ子はどうなる。竹中は本気でブラジルへゆく気らしいし、りつ子はそれを嫌っている。自分がここに住みつくとすれば、りつ子もここにとどまるだろう。馴れない炭焼きをして、こんな少女をかかえて、不自由な生活が自分にできるだろうか。
「先生も一杯どうかね」
油屋の呼びかける声を聞きながら、隆二は「いや」と頭を振った。いやだめだ、そういうことは不可能だ、自分にはできない。
七
松林で風がさわぎ、道の左右で枯草が音荒く揺れそよいでいた。
仏峠はさして嶮しくはなかった。杉や松や栃ノ木の林に囲まれた細い坂道は、土よりも石や岩のほうが多く、靴が滑って幾たびか転んだ。その幾たびめかのとき、彼は転んだまますぐ起きようとせず、坂道に突き出た岩の、眼の前にある一つを見まもった。
「何百年、何千年まえからこうしてあるのだろう、ここに坂道が出来るまえには、おそらくいまとは形も違い、もっと大きかったであろうか」と彼は呟いた、「――坂が出来てから、どれほどの人間が登ったりおりたりしたことだろう、そのうえ風に吹かれ雨に打たれて、いまのこの形になったに相違ない」
踏み削られ、形を変え、しだいに小さくなってゆく。