Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

Leggi おごそかな渇き (おごそかなかわき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.042 caratteri · 71 schermate

Aozora Bunko

松山隆二は暫く考えていて、「そういう意味では」と静かに云った、「ブラジルへいっても同じことじゃあないでしょうか、はっきりしたことは云えませんけれど、戦争で死ぬより疾病で死ぬ人数のほうが多いそうですし、もしも水素爆弾がぼかぼか落されるようなことになるとしたら、ブラジルへいっても、南極、北極へいっても同じことだと思いますがね」

「おそらくそうだろう、地球そのものが太陽みたようになっちまうというんだから」と竹中も慎重に云った、「けれども、こんなせせっこましい日本より、人間より牛のほうが多いという、広い土地で、死ぬなら死にたいと思うんだ、広い青空と草のあるところでね、そうは思いませんか」

「わかりませんね」と隆二は答えた、「日本がせせっこましいことはわかりますが、水爆が投じられたとすると、広い狭いはないんじゃないか、と思いますがね」

「きみは――」と竹中が反問した、「空襲にあったことがありますか」

「くにが福井県の漁師町ですから」

「というと、どの辺ですか」

「敦賀湾から北へ二十キロ近くいった、干飯崎というところです」と隆二は答えた、「漁港としてはかなり大きな町ですけれど」